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-2ヶ月後・我が家-
あれから2ヶ月…結局、章吾以外とはまともに話せていない日々が続いている…
そんな中でも一つだけ進展があった…それはハクの子が遂に我が家にやってきたのだ。
だが…
『おーい…そんなに警戒しなくても…』
ハクの子は隆弘を警戒して、部屋の隅で動かないでいた…たまに会いに行ってたんだけどな…
章吾も言っていたが、この子犬は極度の人見知りらしい…俺以外に孝雄達も会いに行ってたらしいが、誰にも懐かなかったと…
『まいったな…』
隆弘はどうしていいか分からず、頭を掻いていた…近付けば離れるし…
『腹減ってないか?水は?』
色々と手を尽くしては見たが…餌も食わなければ水も飲まない…ただじっと隅でこちらを見ているだけだ…
『今日明日と仕事が休みなのが幸だな…』
きっと今、コイツを一人にすれば間違いなく俺に懐いてくれなくなる…
……いや…逆か…俺がいなくなれば、餌や水にありつくかもな…
隆弘はとっさに思いついたことを実行に移し、一旦家から出でみた…
すると…
数分後、家の前で待機していると家の中から鳴き声が聞こえる…
きゃんきゃん…きゃんきゃん…
どうやら一人は寂しいらしい…どうすればいいんだよ…
仕方なく家の中に入ると玄関で子犬と出くわし、子犬も驚いたのか隆弘を見るなり一目散に居間へと逃げていった…
『この野郎…』
隆弘も居間に戻り餌場を覗くと…少し減ってるな…やはり腹を空かせてるのは間違いないようだ…
『はぁ…よし!拉致があかないから寝る!』
隆弘はその場に寝転び、子犬が落ち着くのを待つことにした…
目をとじ…大の字で寝ていると、子犬があちこち動き回ってるのが分かる…何が面白いのか、たまに走り回ってるし…
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