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『…先輩…顔がにやけてますよ…。本当にバレないようにしてくださいね!』
雪菜は深々とお辞儀をして、顔を赤く染め逃げるように去っていった。
そんな姿を見送っていた真奈美はクスクスと笑う。そして部屋へと戻った。
-隆弘の部屋-
真奈美は部屋に戻ると、残っていた三人は、何故か傷だらけて倒れていた。
『……あんた達…また喧嘩したんでしょ…。本当!馬鹿よね…。』
真奈美は溜め息をつく。三人の馬鹿さ加減に、怒りを通り越して呆れていた。
『ほらほら!いつまで寝てるの!私達もそろそろ帰るよ!』
真奈美は倒れていた三人を無理矢理起こし、部屋の片付けを始めた。
他の三人も渋々片付けを手伝い、何とか部屋は綺麗になった。
だが四人はフと気付く。
ケーキ…食ってなくね?
『…ケーキ…食べてから…帰るか…』
章吾がポツリとつぶやき、また全員でテーブルを囲んでいた。
『なぁ…章吾はともかく、隆弘は何で女作ろうとしないんだ?』
『…俺は…ともかくって…なんだ…』
突然、孝雄は隆弘に日頃思っていた疑問を聞いてみた。
『なんでって言われても…』
『…だから…俺は…ともかくって…』
隆弘は孝雄の質問に困っていた。
それは本当に理由がないからだ。
今までに告白をされても、殆どの女性をフってきているのだ。
付き合った人数はたったの2人。そしてどちらも半年以上は続いたことがないとう…
『確かにねー…アンタ結構カッコイイほうなのに。』
『…いや…だから…』
真奈美も孝雄に賛同する。真奈美は小さい頃から一緒にいる。
でも隆弘が本気で誰かを好きになったのを見たことがないと、何故か説教に変わってきた。
『大体アンタはね!私が誰かを紹介してもすぐ逃げるじゃない!
…は!アンタもしかして男が好き…』
『違う!!!!』
隆弘はすかさず言い返す。
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