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孝雄や真奈美は凄く心配していた。章吾は女を取っ替え引っ替えばかりだからほっといてもいいとして…
隆弘は超鈍感な男だけじゃなく、一人でいるのを満足してる始末…
このままでは隆弘は一生、一人のまま…。
孝雄と真奈美はどーしても隆弘に幸せになってもらいたいのだ。
『なぁ…そんなに誰かと付き合うって大切な事か?
俺は…お前らがいれば、それでいい。』
隆弘は少し曇らせた表情で言う。
そんな言葉を聞いた、孝雄と真奈美は言葉を詰まらせてしまった。
気づけば、あんなに楽しかった空気が重たい空気に変わる。
沈黙………
『…ケーキも食べ終わったし…今日はもう…帰ろう…』
沈黙を破ったのは、さっきから無視されていた章吾だった。
『章吾…そ、そうね!私達も明日早いし♪でも隆弘はフリーターだから羨ましいわ♪』
真奈美はすかさず章吾の言葉に便乗した。
これをきっかけに場の空気は和らいでいく。
『俺はこの先もフリーターで生きていくつもりだ♪』
なんて冗談を言う。
…いや、冗談じゃないかもしれないが…。
『んじゃ!帰るか!隆弘、今日は楽しかったぞ!飯も美味かったし♪』
お前は飯が食えればどこでも楽しいだろう。と、孝雄は皆にからかわれた。
皆は外に向かい、それぞれ挨拶を交わし、自分の家へと帰っていった。
-部屋、一人の時間-
『ふぅ…今日は騒がしい日だったな。』
……なぜ女を作らないのか…か…。
そんなの俺が聞きたいくらいだよ…。
隆弘はシャワーを浴びながら、そんなことを考えている。
でもなんでだろうな…。なんか、こう…ガツンとこないんだよな…。
はぁ…まぁいいや。考えても始まらないし。
そんな事を考えながらシャワーから上がり、髪を乾かして直ぐに寝についた。
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