仲間

4/14
前へ
/116ページ
次へ
『あ、ごめんなさい…。私より料理上手だから…男の人なのに凄いなって。』 雪菜は俺の手の動きを見ていたのだ。 目を輝かせ、独学で盗み取ろうと必死に見ていた。 『作り方…教えようか…』 そして他人に甘い俺…。だけど、なんか楽しかった。 『え!いいんですか!なら今度また、教えてもらいに来てもいいですか?』 今度って…またここに来るつもりかよ…。 そんなことを思いつつも。 『いいよ。』 やっぱり甘い俺… 『さて、準備出来たし皆の所に運ぼうか。』 がちゃがちゃと音をたてながら、馬鹿さわぎしている居間へと料理を運んだ。 『きゃー!!やっと料理が出てきたー!!おいしそう~♪』 人一倍はしゃぐメス豚がいた…。 それに便乗して残りの二人も騒ぎ出す…。 『がはははは!!早く食べようぜ!俺腹減ったよ!』 『…まだ…ケーキも出してない…もう少しまて…』 その通りだよ章吾君!! いいこと言った!! 『はぁ…お前らビールだけで、よくここまで騒げるな…。てか何本飲んでんだよ!!』 …なんて聞いた俺が馬鹿だった…。 コイツ等揃いも揃って… 『10本以上♪』 馬鹿だ!コイツ等本当に馬鹿だ!しかも一人当たり10本って意味だ!! その言葉の通り、缶入れ袋はもうパンパンになっていた…。 『す…凄いですね皆さん…』 『雪菜ちゃん…凄くないよ…。コイツ等は人間じゃないから。化け物だから…。』 そんな事を話していて、ふと気付く。 このビールはどっから出てきた? 俺はビールなんて買ってきてないはず…。 コイツ等の誰かが買ってきたのかを聞いてみた。 『なぁ…この大量のビール…誰が買ってきたんだ?』 すると三人揃って… 『え?5箱ずつ買ってきて、隣の部屋においてあるけど?』 い…いつのまに… てか5箱ずつってなんだー!!!! どんだけ飲むつもりだー!!! なんて言葉を心の中にしまい込み、言うのはやめたのだった…。
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加