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『あ、ごめんなさい…。私より料理上手だから…男の人なのに凄いなって。』
雪菜は俺の手の動きを見ていたのだ。
目を輝かせ、独学で盗み取ろうと必死に見ていた。
『作り方…教えようか…』
そして他人に甘い俺…。だけど、なんか楽しかった。
『え!いいんですか!なら今度また、教えてもらいに来てもいいですか?』
今度って…またここに来るつもりかよ…。
そんなことを思いつつも。
『いいよ。』
やっぱり甘い俺…
『さて、準備出来たし皆の所に運ぼうか。』
がちゃがちゃと音をたてながら、馬鹿さわぎしている居間へと料理を運んだ。
『きゃー!!やっと料理が出てきたー!!おいしそう~♪』
人一倍はしゃぐメス豚がいた…。
それに便乗して残りの二人も騒ぎ出す…。
『がはははは!!早く食べようぜ!俺腹減ったよ!』
『…まだ…ケーキも出してない…もう少しまて…』
その通りだよ章吾君!!
いいこと言った!!
『はぁ…お前らビールだけで、よくここまで騒げるな…。てか何本飲んでんだよ!!』
…なんて聞いた俺が馬鹿だった…。
コイツ等揃いも揃って…
『10本以上♪』
馬鹿だ!コイツ等本当に馬鹿だ!しかも一人当たり10本って意味だ!!
その言葉の通り、缶入れ袋はもうパンパンになっていた…。
『す…凄いですね皆さん…』
『雪菜ちゃん…凄くないよ…。コイツ等は人間じゃないから。化け物だから…。』
そんな事を話していて、ふと気付く。
このビールはどっから出てきた?
俺はビールなんて買ってきてないはず…。
コイツ等の誰かが買ってきたのかを聞いてみた。
『なぁ…この大量のビール…誰が買ってきたんだ?』
すると三人揃って…
『え?5箱ずつ買ってきて、隣の部屋においてあるけど?』
い…いつのまに…
てか5箱ずつってなんだー!!!!
どんだけ飲むつもりだー!!!
なんて言葉を心の中にしまい込み、言うのはやめたのだった…。
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