Act.2 Not try! Do or Not!

6/7
131人が本棚に入れています
本棚に追加
/108ページ
 「はじめるか…」  翔は敵の懐に飛び込み、相手の鳩尾に突きをくらわせた。  そのまま後ろに回り込んだ相手を蹴り飛ばし、もう一発くらわせた。  「くそっ!」  「ちょいな…、っと」  負けじと敵も翔に向かって攻撃を仕掛けてくるが、直感で回避されてしまう。  避けられた敵はそのまま翔に足を掛けられ転ばされた。  「このガキ!」  「っ!」  殺気に反応した翔は振り向きざまに敵が持っていた銃を弾き飛ばした。  勢いもそのままにその相手は連打をくらい撃沈した。  「な、なんて奴だ…」  「言っただろ、俺は強いってね」  「も、もう嫌だ…、逃げろ!」  翔の強さに怯えた敵が一人、また一人と逃げ出していった。  残ったのは取引をしていた2人と翔だけだった。  その様子を見た翔はギターの方に向けて歩きだした。  直後に銃声が倉庫に響き渡った  例のギターを買おうとしていた奴だった。  「う…動くな…、それ以上動いたら…」  「やってみろ…!」  相手は震えていたためか、何もできないでいた。  ギターケースに近寄り、翔はケースを開けて中身を確認した。  「確かに、親父のだな…」  中身が探していたものであったことを確認し安堵した直後、銃声が再び響き渡った。  しかし、それは翔が持っていたコルトパイソンの方だった  殺気を感じて肩越しに後ろの敵へ撃った弾は相手の銃を弾き飛ばしていた。  その相手は完全に戦意を失い、その場で腰を抜かした。  そのまま翔はもう一人に向き合い、相手の額に銃を突き付けた。  「……こいつをどこで手に入れた」  「し、知らない…、命令されただけなんだ…」  「…………」  相手の返答を受け、翔は一旦銃を退いた。  「本当に知らないんだ、ただこれを取引先に届けろとだけ…」  「だったらその命令した奴に言っておけ、俺がいる以上悪党は許さないってな」  「だ、誰なんだ、お前は…」  「ただのスイーパー、それだけ」  そう言い残し、翔は倉庫を後にした。
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!