4.氷夢華台風 

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突然の再会。 そして翌日、俺が仕事に行って帰ってくるまでの間に、 アイツはオレのマンションに全ての荷物を持ち込んでた。 話を聞くとアイツの言い分ではオレのせいで職がクビになったと告げた。 職がクビになったから寮も追い出されたと。 行く宛がないと主張する氷夢華を追い出すことも出来ない。 かといって……今は昔と違うだろ。 嵩兄、嵩兄ってオレの名を呼びながら何処でもくっついてきたアイツ。 だけど……もうあの頃じゃない。 オレにとってアイツは妹みたいなもんには違いないけど、 はっきり言えるのはオレたちは実の兄妹じゃない。 第一アイツの親父さんたちにどうやって言えばいい? 氷夢華が転がり込んできたなんてアイツの責任で報告できるかよ。 かといって20歳を超えた男女が二人。 一つ屋根の下で住むっていったら普通はいろいろと想像するだろ。 溜息しか出なくなってきたぞ。 帰宅して早々、オレの家なのに落ち着ける気がしない。 何時もはリビングのソファーにゴロっとなりながらテレビをつけて過ごす時間も、 ゆったりとリラックス出来る環境でないために早々に自室へと退散した。 あんな……丈の短い服着て、生足さらしながらウロウロすんじゃねぇー。 目のやりどころに困るじゃねぇか? なんて首から下げてるエターナルペンダントに触れながら、 海斗に愚痴ってみる。
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