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 声を荒げることを恐れた私。 立ち向かうことを躊躇った私。 きみの前に立ちはだかったのは、親という名の大きな壁だった。 ごめん……。 気付いてたけど、その壁を取っ払うことができなかったんだ。 立ち向かえなかった。勇気が出なかった。 今更後悔しても遅いんだ。 後からなら何とでも言えるよね。 後悔がこんなにも辛いなんて。 そしてキミは……、これから先、美化され、象徴的な存在になっていくんだろう。 くだらない「何か」のために……、 キミは大切な命を投げ出すことはなかったのに。 きっとキミの声なき抵抗は、キミの家族には伝わっていない。私も、それをキミの家族に言うつもりはない。 キミがいないところでキミの家族に抗ってみても、なんの意味もないことくらい、わかるから。  
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