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事件発生から本格的な捜査開始までには、数日間のタイムラグが生じた。
これは、一連の集団自殺をひとつの事件として受け止めるのに要した時間だ。
その時間が一番短かかったのが、マスコミだった。
一部の週刊誌では、この事件をゴシップ的な記事として取り上げようとしたらしいが、どこからか政治的な圧力がかかり消失したと耳にした。
ようやく、事件の全体像が見えてきた頃、事件発生後初となる捜査会議が開催された。
今からちょうど一週間前の事になる。
その辺りからこの話を始めるとするか。
いや、やはり事の始まりとなるあの日の事から話すべきか。
結局はそれが自然であり必然なんだろうな。
そう、それは本格的な捜査が開始される数日前のこと。
俺は渋谷で発見された集団自殺の現場指揮をとることになった。
今思えば、俺の中ではそれが全ての始まりだった。
何度も言うようだが、これからする話は不確かな話だ。
しかし、噂とは違い不確かではあるが、真実でもある。
そういった支離滅裂な話だ。
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