はじめに

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何が嬉しくてこんなスプラッターハウスで仕事しないといけないのが。 俺はこの建物全体が煙たく見える。 一体や二体どころじゃない。 ここは間違いなく霊のマンションだ。 複数の霊の溜まり場になっている。 しかもあまり質の良くない霊の波動を感じる。 「スーパーが潰れた訳が何となくわかるな・・・」 俺はそう思いながらも搬入作業を進めた。 そして日没。 更に不気味さを増す。 一人で事務所の整理をしていた俺はある事に気付く。 この事務所は尋常ではない位に冷える。 もう5月だというのに半端なく寒い。 それに何かの気配を背後に感じる。 この事務所はマズイな。 「店長‼」 そんな時に部下の早川(仮名)が事務所に飛び込んできた。 「店長、電気がつきません‼」 あれ、社長は電気つくって言っていたよ。 俺は早川を連れブレーカーを見に行った。 「見えますか?」 早川が携帯のライトを照らしてくれた。 「ブレーカーは入ってるし、おかしいな。」 こうなれば電気がまだ来ていない。 だから作業は明日だ。 そう結論付けて帰る事にした。 早川もその言葉を待っていたようだ。 俺も本音ではこんなヤバい場所に夜遅くまでいたくないから。 こうして広島市中心部にある会社の寮まで早川と帰ることにした。
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