☆一章☆~胸の高鳴り~

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「…うん。仕事、大変だったね。お疲れ様」 恋人との、いつもと変わらぬ携帯電話での会話が今日、1日の終わりを告げる。 私の名前は、柊 綾香。 25歳のOL。 田舎から上京して東京の大学に通い、就職難の中、やっと都内の会社に就職ができた。 新しい環境で不安や、覚える事が多く、死にものぐるいで、頑張ってきた2年間。 2年間、頑張ってこれたのも、電話の相手の恋人が心身になって支えてもらったお陰だ。 その恋人の名前は、早坂俊二。 彼とは、5歳の歳の差があり、頼れるお兄さん的存在だっのが、今年の2月に突然、私に交際を申し出てきた。 私は彼を男として見てなかったから、戸惑いはあったものの、彼の人柄に次第に惹かれるようになり、1ヶ月後の3月に、私から彼に交際を受け入れる返事をした。 彼とは社内恋愛をしている。 もちろん、私と彼だけの秘密にしている。 彼との出会いは入社研修の時、彼の部署に配属されるようになり、新人担当になった彼が私に、教えてくれたのだ。 第一印象の彼は、仕事に対して真剣に取り組む姿勢が見え、新人の私にも容赦なく厳しく指導されたから、新人の私には、少し窮屈だった。 同期の同僚からは、カッコいい人に教えてもらって、羨ましいとよく言われ、確かに外見はいいかもしれないが、真面目過ぎて窮屈だよと、彼の文句にも似た事を私はよく言ったもんだ。 だから、端から見ると二人が付き合ってるどころか、仲が悪いと思ってる同僚もいる。 そんな彼との距離を縮めたのには、大きなきっかけがあった。 研修期間を終え、配属先の部署で大きな仕事を引き受ける事になった。 しかし、少ない社会経験が、私を悩みの底に突き落とされ、逃げたしたい一心でいっぱいだった。 そんな時に彼から、噂で私が大きな仕事の一員になってることを聞き、社内メールで叱咤激励のメールを送ってくれたのだ。 思いがけない彼からのメールで、すがる思いで、彼に仕事の悩みを打ち明けた。 メールの彼は、研修の時とは違い、優しく、また的確にアドバイスをもらい、悩みがいつしか、やる気へと変えてくれたのだった。 大きな仕事も何とか成功し、お礼も兼ねて食事に誘って、それからは、仕事で悩むと彼に相談をし支えてもらったのだった。
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