☆一章☆~胸の高鳴り~

3/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
仕事の先輩と後輩の仲だったのが、突然、彼から思いを告げられ正直びっくりした。 彼は二人の良い関係が崩れるのが恐くて、何度も想いを胸にしまいこんでいだが、自分の想いに偽りたくなくて私に気持ちを伝えたのだった。 想いを告げられても、彼は、いつもと変わらず私に接してくれて、そんな彼を私は、仕事の先輩から男性へと意識するのに、時間は余りかからなかった。 付き合い初めて2ヶ月しか満たないが、愛で満たされる日々に私は幸せをかみしめていた。 1日の疲れが彼との何気ない話も疲れが取れ、ベットの中で埋もれながら、携帯電話で話してると彼が、 「もう、こんな時間だ。そろそろ電話を切ろう。また、明日な。お休み。」 「…うん。お休み。」 名残惜しいけど、私も眠たさに負け、携帯電話を閉じ、置時計にふと目をやると、時計の針が11時過ぎていたことを確認し、部屋の明かりを消した…。 まだ、心臓がドキドキしていてフワフワしてる感じが、布団の中の私にも感じとることができた。 (恋をすると、こんな感じだったかなぁ…) 上京して大学に入った頃は、合コンで知り合った相手と付き合った頃はあったが、あの頃の私は忘れられない恋の呪縛にかかり、結局半年もたたないうちに別れた。 恋がしたくないわけでもなかった。誰かに寄り添いたい気持ちもあったが、バイトに就職活動に翻弄している日々に私から「恋愛」の二文字は、すっかり消えていた。 しかし、社会に出て、大人の彼と触れていくうちに、私の眠っていた「恋愛」が復活へと導いてくれたのだった…。 (今、彼は布団の中かなぁ…。) そんなもの想いにふけてると、頭上に鳴り響く携帯電話の着信音が鳴った…。 (彼かなぁ…。) いきよいよく身体を起こし携帯電話の画面を凝視する。 (えっ?知らない番号…。誰だろう…) 期待を裏切られたよりも、知らない番号に、戸惑い、出ようか迷ってるうちに、着信音が鳴り止んだ。 (誰かなぁ…。) もしかしたら、友達が番号が変わって、連絡をくれたのかも知れない…。 私の思い当たる友人の顔を思い出しながら携帯電話の画面を見ると、再び着信音が鳴る…。 (間違い電話かもしれないから出てみようかなぁ…。) 「…もしもし?」 「…俺だけど…。ごめん…寝てた?」 電話の向こうの相手が、名前を告げなかったにも関わらず私の耳の奥に記憶として残っている声で、相手が誰だか直ぐに分かった…。 「隼人…。」
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!