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その存在の当たり前さに、
その存在をすっかり失念してしまって。
胸の底に沈ませていたハズの小さな輪に触れたまま、走り去って行くフユちゃんを追いかける事さえ出来なかった。
不甲斐なさから、その場にしゃがみ込んで、頭を抱えた。
行き場の無いやり切れなさ。
指輪を怨む事なんて出来ない。
小さく息を呑んで、そのまま大きく吐き出した。立ち上がる気力なんて、もう皆無。
チャーミーちゃん、ごめん。
せっかく教えて貰ったのに、
俺、間違っちゃったよ。
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