無題

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いつも見る夢は、 「ぽちゃん」って水の跳ねる音が耳に響いて、目を開けるところから始まるんだ。 部屋で寝ていた筈なのに、 俺は何故か水面に浮いている。右も左も果てしなく広がって……、海? でも音が聞こえるとしたら、波の音なはずでしょ? おかしな事に、ぽちゃん。って、いつも鳴るんだ。 うっすら目を開ければ、紺色の空にはキレーな月が浮かんでて。 見惚れるんだ、取り敢えず。 この状況は置いておいて、夢だというのをいい事に。 暫くすると、海の奥深くに沈んでいくか、月に吸い寄せられてカラダがふわふわ浮かぶか、 そのどちらかで。 溺れた時はいつも苦しくて目が覚める。 流れて落ちるのは額の汗。 冷たい冷たい、イヤな汗。 .
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