都会の洞穴

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熱キモチいおしぼりを手の甲に押し付けながら、デニーさんを見上げた。 「ホテルメシ。カロリー高いからそんなに食わなかったんすけど。」 「うまいチーズ入ったんだよ、どう?」 「んー、くさい?」 「ちょい、くさ。」 「うーーー、止めとこかな……。」 デニーさんは泡と液体のバランスがエクセレントな生ビールをコースターに乗せて、アテには腹もちのいいクラッカーと何かのパテを添えてくれた。(あとで聞いたらフォアグラだっていうからびっくりした。) 大好きな大好きな生ビールを半分ほどカラダに沁み込ませれば、頭がぱかっと開く感覚。 体内を巡る炭酸とアルコールに痺れながら、仕事の事を独りぼんやり考えた。 .
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