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その女は、俺の顔を見ても、表情一つかえずに、1席開け、俺の横に座り、セブンスターに火をつけた。
似合わね。
健康そうな女なのに、よりによって、随分キツイタバコだなぁ…
っていうか、ほら、咳こんでるじゃん。
「大丈夫か?」と、とびきりの笑顔で、背中を擦ろうとした。
ビクン
椅子から、落ちるんじゃないかってぐらいに、体をびくつかせた女。
咳き込み潤んだ目で、俺を見た。
「大丈夫だから、触らないで!!」
は?
今まで、女に拒否られた事なんかない俺。
まっすぐに俺を見つめた女の茶色の大きな瞳に吸い込まれた。
「俺、凌っていうんだ。」と自己紹介していた。この女を知りたい…と笑顔で話した。
「…○高の彩です…」
「宜しくね」と握手を求めた。
戸惑いながら、俺の手を握った彩は、ちっちゃい手をしていたけど、柔らかくて温かい。
横から、友達の小次郎が現れ、彩に話しかける。
彩は戸惑いながら、答え足早に和音の側に戻った。
小次郎「彩、もろ俺のタイプ。めちゃくちゃ可愛いな。」
「あぁ。」
俺も興味があった。華奢な体に似合わない目力、健康そうな肌に似合わない影のある表情…何より、俺が触れた時、体をびくつかせた事が頭から離れなかった。
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