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そんな彼を嘆くように、六兜は額に手を当てて大仰に溜め息をつく。
「お前…ホント地理できねぇのな」
「師匠が勉強嫌いだから。それが移ったのかも」
「人のせいにすんなよ…」
二度目の後、ひときわ目立つブレーキ音が耳朶を叩いた。
どうやら到着らしい。
えらく長い距離を走行していたので、肩凝りが酷い。
「思ってた以上に殺風景だよなぁ」
トラックの荷台から飛び降りた六兜は別の意味で感激したようで、荒れ果てた野山を瞼の裏に焼き付けようとしていた。
見渡した限り、ヒトの気配なし。
建物影なし。
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