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物語はありがちな場面から幕をあける。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「今日はみんなに紹介したい子がいる。」
ある日突然転校生がやってきた。
学期の変わり目でもなければ季節の変わり目でもない今日この日に。
ましてやテスト期間に転校とか…
誰も想像つかなかったがゆえにざわめき始める教室。
まぁ…
転校生ってなったらみんな騒ぐよな
男子は馬鹿みたいに超かわいい清楚系女子がくることを妄想して
女子もこれまた少女漫画に登場してくるような王子様アイドルとの恋愛を夢膨らまして
ほんとっ
俺ら人間って馬鹿だよな…
まぁそういう俺も馬鹿なうちの人間様の一人だけどよ。
おっと
自己紹介が遅れた。
俺の名前は”椎名惣次(しいな そうじ)”
成績普通。
運動神経も並々。
ルックスは中の上。
神的カリスマをもっているわけでもなく、面白いジョーク一つ言えない俺はクラスの中では目立たない存在。
家では真面目に学校には行ってるけど、母親の口うるささにはつい反抗的態度をとってしまう。
食卓の場でさえ口を閉じ部屋に引きこもっている。
家では面倒臭い存在ってとこ。
何が言いたいかというと
地元の公立高校に通っている普通の男子生徒ってこと。
読んでの通り自己紹介もろくにできない俺。
先程お利口なアイデンティティあふれるクラスメイトを馬鹿にした癖に、要は俺自身よっぽど奴らよりくずな人間であると言いたかったわけだ。
とまぁこんなかんじで煩悩人間なのだが性格は極めてひねくれている。
こんなんだから駄目なんだよな。
おっと
自己紹介はこれくらいにして話を進めよう。
「俺さっき見かけない女子みたっ!!!」
「マジ?かわいかった?」
「えぇ~男子じゃないの~?残念~」
この瞬間、女子の夢物語は終焉をむかえた。
そしていろいろな憶測が飛びかい尚もざわめく。
「静かにっ!
では五條さんに入ってもらいます。」
ガララ…
音と供にみんなの注目はドアに集まった。
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