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「で、アンタまたあの夢見たんだって?」
「あ、そーそー!ホント最近ずっと見るんだよね。」
いつの間にか四時限目の話になり、沙希はあの時中断された話を切り出した。
「どんな夢だったかしら?」
「えっと…真っ暗で何も無いところで『私を探して下さい』ってずっと言われるの。周りには誰も居ないし、誰?って聞いても答えないし。で、いつも名前を呼ぶ直前で目を覚ますんだよね。」
「随分ホラーくさい内容ねぇ…ニコ、何か心当たりはないの?」
「全然。むしろコッチが聞きたいっての!マジ誰だし!」
ニコは机をバンバン叩いてまくし立てた。
「まあ落ち着きなさいって。でも、実際おかしな夢よね…。探して下さいって、アンタ何か無くしたりした物でもあるの?」
沙希は不思議そうにで聞いた。
「いや別に…あ、けっこう前にお気に入りの消しゴム失くしちゃってさぁ。それじゃね?」
「何それー!まったく、人が真面目に聞いてるのに…」
「アハハ、ごめんごめん。それでさぁ――」
それからまた他愛の無い話に戻っていき、やがて昼休みも終わった。
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