無邪気な痛み

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御手洗さくら14歳。 彼女は中学にもまともにいかず、家庭教師を雇って勉学を学んでいた。そのせいもあり、家からでることはほとんどない。ただ、毎日を部屋の中で過ごすだけだった。 「さくら、ご飯ここに置いとくから」 母親が部屋の外に夕食を置いていく。足音が完全に聞こえなくなってから、素早く部屋の中にお盆に乗った夕食を入れる。 机の上にお盆を置き、カレンダーをみる。 明日は彼女の15歳の誕生日。 でも友達もいない彼女を祝ってくれるのは両親くらいだ。 静かにご飯を食べ、勉強をする。 気づけば時刻は23時50分。あと10分もすれば誕生日。机の引き出しからカッターをとりだす。 手首に着けているリストバンドをとると、そこには痛々しい自傷行為の跡。カッターの刃をゆっくりと当てる。 0時00分 「ハッピバースディ、私」 カッターを強くひき、自分の手首を切り裂く。血が溢れ服を赤く染めていく。 あぁ~ 私ちゃんと生きてる 流れでる血液と鋭い痛みが唯一自分の生を実感できる。 血は止まることなく溢れ続けた。血の出がいい、今日こそは死ねるかもしれない。 「……死にたいのか?」 部屋に低い声が響きわたった。
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