無邪気な痛み

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「…はぁ…はぁ……ゲホッ、く、そ…なんだってんだぁ!」 水をがぶかぶと飲み、その場に倒れこむ。 「おい、なに勝手に休んでるんだ? 罰としてスパイクでも磨いてろ!」 罵声とともにスパイクを投げられる。 さすがに我慢ならねぇ 「あぁ!? 調子にのるなよこら!」 佐藤の胸ぐらを掴んで睨む。だが、急にこめかみに痛みがはしった。 「俺らのも頼むぞ。下手くそ」 顔を押さえながら視線をむけると、そこにはチームメイトでも特に仲のいい八城(やしろ)と安藤(あんどう)。 思いっきり投げられたスパイクによりこめかみからうすく血がたれる。 他のやつらもどんどんとスパイクを投げてきた。 俺の中で何かがキレた。 「てめぇら! 殺す!」 近くにいる者から顔をぶん殴る。勝つとか負けるとかどうでもいい。ただ暴れたい。 ―キーン 「がぁ!」 金属の乾いた音が響き、頭に激痛がはしる。 「はっ、痛ぇか? もういっちょう!」 尻にバットを打ち込まれる。痛すぎて声もでない。 「みんな、やっちまえ!」 四方八方から蹴られ、殴られぼこぼこにされる。 ―ゴキッ 「ぐわぁぁぁぁ!」 勢いよく降りおろされたバットが右腕を砕く。 あまりの痛さに意識が遠のく。
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