雨の夜

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「何?」 「さっきのお金」 「いいのに…」 「女に出させるわけにはいかないよ」 じゃぁ…その代わり…と彼女が笑う。 連れてこられたのはラブホ街。 一時の夢…。 翌日は休みで夜0時に帰ると加奈子が待ってくれていた。 俺の奥さんだ。 「おかえりなさい。遅かったのね」 「あぁ」 「いつもの店で飲んできたの?」 「あぁ」 妻は美人だ。しかし夫婦間は冷めている。 私は明日出かけるからと言い残し、寝室に消えた加奈子。 俺は風呂に入り、一夜の事を思い出した。 名前も知らない彼女。 揺れる白いピアスに、ふっくらとした赤い唇。 翌朝、妻はでかけた後だった。 ふと見ると化粧台の上に白いピアス。 「はは…まさか…な」 俺は慌てて隠した 。 そしてポストに新聞を取りに行くため外にでた。 頭の中には昨夜の女の事で頭がグルグル回る。 加奈子にピアスを見つけられたのか? いや…それなら何か言われるはずだ。 片方だけなら疑う。 新聞をポストから取り出し、玄関のドアに手をかけると、 新聞の間から名刺のようなものが落ちた。 赤い口紅のキスマークがついたカード。 他には何もかかかれていない。 …あの女だ…。
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