偽りの平和

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GS戦争が終結して四年。人類は平和な一時を過ごしていた。かつては、空軍の憧れでもあるGS戦争の英雄スコーピオン隊の元・隊長だった桐埼修二。彼は素性を隠し、空軍士官生として生活していた。 「あの忌まわしい戦争から四年かぁ。しかし、このまま戦争が根絶したとは思えんなぁ」 健太は教室でそんな独り言を呟いていた。そこに、 「何ブツブツ言ってるの?修二。」 光が突然話しかけてきた。 「うわっ!何だ光か、脅かすなよ。」 「何だとは何よ~。それで何ブツブツ言ってたの?」 「いや、実は」 とそこに健一とアサキが割って入ってきた。 「おっ、何の話だよ。桐埼。エロ話なら俺もまぜろよ」 「アンタはエロ話よりも課題終らせなさい!アンタのせいでアンタレス隊は成績落ちてるのよ!」 アサキの見事な蹴りが健一のみぞおちに入った。 「おげふぅ!」 「まったく。修二と光、邪魔して悪かったわね。」 アサキは健一を首根っこ掴んでズルズルと椅子に引きずっていった。 「あいつは凝りねぇなあ。」 「そうだねぇ」 二人はその後ろ姿を見てため息をついていた。
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