始まりの決意

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走ることを職業としている陸上選手だって、「練習」と言えばただ走るだけじゃないだろう。 速く走るために体のいろんな部分を鍛え、そのためのトレーニングがあるはずだ。 でも僕にはそれが分からない。どこを練習すればいいかだなんて、知識ゼロに僕には分からない。 僕はまた振り出しに戻ってきたのかなあ。決意を決めたはずなのに心の底では本気になりきれてない、弱気な自分がいる。 この感情は仕方のないことなのかな。それともあってはいけないものなのかな。 それすらも全然分かんないよ。 でも、僕は母親に約束したんだ。自分ひとりだけじゃない。母親も一緒になって目標に向かている。 当事者の僕は、ひたすら頑張るしかないんだ。 方法が分からない? なら自分で探せばいいんだ! ただそれだけのこと。 そう思うと体の中からスッと何かが抜けていったような気がした。 「ようし、走るぞお!!」 よく分からないまま、でも確かに目標に向かって僕は再び走り出した。
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