降臨

10/19
前へ
/37ページ
次へ
「えーと、実際『天使だゃん♪』じゃ何も分からないよ。とりあえず名前は?それからいろいろ聞かせてもらおう」 「はわわーそ、そうでした!まずは名前からでした。えっと、わたしの名前は…えっとえっと…」 彼女はうろたえながら僕の部屋をキョロキョロ見回している。 自分の名前を言うだけなのに、何をしているんだ? しばらくして、彼女は一つの場所に視線を止めた。 彼女の右手側。そこにあるのは僕の本棚だ。 「えっと、わたしの名前は、柴田…秀樹です」 いやいやいやちょっとまてええい!!! 今まで冷静に対処してた僕でもこれにはさすがに流しきれないぞ! 見た感じ完全に女の子なのに「柴田秀樹」て! おかしいにも程があるよ!! 僕は、視線を彼女から本棚に移した。そこにある一冊の本に、一番大きくて見やすい字で作者の名前が書いてあった。 ははあんなるほど。 そこに書いてあった名前は、「柴田晋也」と「木村秀樹」だった。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加