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しかし、僕の早歩きのスピードなんてたかが知れてる。
亀がいくらスピードをあげたとて、ほとんど変わりはしない。
そういうこと。
そして、僕の目にとっては新鮮なスカートを揺らしながら僕に追いついたルイナは、僕の正面に回り込んだ。
僕が早歩きしてからルイナが僕の目の前にくるまで、この間およそ10秒もかからなかった。
「なんだよ」
僕がそう言うと彼女は少し顔を膨らませ、
「いきなり行こうとしないでくださいよ~。さっきのは冗談ですって」
と、僕の方をじっと見つめる瞳からは、嘘を言ってる風には感じなかった。
僕も見つめ返す。
彼女の顔と、ナンセンスな服装が目に入る。
ってか天使がドクロのマークの服っていろいろと問題があるんじゃないかな。
天使は何?ドクロに対して何もないの?
それとも単純なファッション?
いや、それにしても…
「あの…?」
いけない。
僕は彼女をずっと見つめていたみたいだ。
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