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僕はハッとなった。今、この状況こそが辛さや苦しさなのか。
「気付いたのね。あなたはやっと一歩を踏み出したのよ。確かに記録は伸びなかった。でも、こういう挫折と呼ばれるものを味わうことは大切なことなの。ここから、どんな風に成長出来るか…。楽しみにしてるわ!」
母親はそう言うと、振り返ることも無く家に帰って行った。
僕は正直このことを甘く見ていた。ちょっと練習すればすぐに人並みくらいにはなる、そう思っていた。でも、違うんだ。そう簡単にはいかない。
僕は今まで知らなかったけど、こういうものなんだ。
母親の言葉がなければ、今頃は落ち込んでてまた前の僕に戻っていたかもしれない。
でもちがうんだ!挫折を味わえたってことに逆に喜びを感じるんだ!
そして、ここから巻きなおして一位をとって見せる!
僕は、再び練習を再開することにした。
しかし、僕にはひたすら走る練習しかない。練習と言えるかどうかも怪しいくらいだ。
何か、いい方法は無いか…
そこがネックになっていた。
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