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「はは…今日もとばしてんなあ、カスガ…」
タケルは苦笑いを浮かべて担任教師・カスガ先生を遠い眼で見ています
シーーーン…と静まる教室で、一通り出席をとるとカスガは出ていった
「ふぅ~~~~やっぱあの先生こえーなあ」
「俺、去年もカスガが担任だったぜ」
「うっそ!?」
カスガが出ていった後、教室は急に騒がしくなりました
するとナナミが席を立ちながら
「ねえ!今日って魔法演習の授業じゃなかった?早く第二演習場に行かないと先生に殺られるわよ」
「―――――――――!!」
生徒たちは一斉に教室を出ました
そんな中、ゆっくりと動き出すタケルとユータ
「じゃ、さっさと俺らも行きますか。カスガに殴られんの嫌だしな」
「はいはい、じゃ行くぞユータ」
タケルとユータは教室を出ようとする気配がない
そのかわりに、二人は魔法を唱えた
「「転移」」
他の生徒が演習場についたとき、すでに二人は座って喋りながら待っていました
「なんでお前らが先にいんだ!?教室から出てこなかっただろ」
生徒の一人、リューゾウくんが二人を指差して叫びます
「まあいいじゃねーか、俺らもカスガを怒らせたくねーし」
ユータは何気ない感じでこたえます
「まあユータはいい、だが落ちこぼれのコイツが俺より先にいるのが気にいらん!」
おっと!
ようやく落ちこぼれ設定が出ました
そうなのです
タケルは授業は不真面目、魔法は上手く使えない、体力もない、何をやらせてもダメダメ……とクラスではもっぱらの評判
まあタケルくんは、そう演じているだけですが…
ちなみにユータは好成績です
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