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二度目の戦争のあと、俺はこの国に滞在する事にした。
国民もなかなか面白いメンバーが揃っているし、大公の人当たりの良い性格も悪くない。
滞在して数日。
俺は段々とこの国が好きになってきていた。
――――
『また布告されちゃいました💦』
『まあまあ、良くあることだよ~✨(笑)』
『開戦時には戻ってくるんで、ちょっとブラツいてくんね✨』
――――
三度目の戦争も傭兵達が集まっているはずだった。
入国し、装備を整え、配置に就いた俺の目に映ったのは、動かない某国の兵士達。
そして、現れない傭兵達。
俺の顔面は蒼白となった。
外部支援依頼を出すために伝書鳩を飛ばすが返事がない。
…くっ!
まさかこんな…。
砂塵が吹き荒れる暗闇の中、敵の松明に照らし出された、護るべき城を見上げた。
俺はただ一人、某国の城を背に、敵国の軍勢の前に立ちはだかった。
寂しさとやるせなさが胸中を支配していることに気付いたのは、崩れ落ちる城を静かに眺めている時だった。
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