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俺の名前は島津勇、いたって普通?の高校二年。
仲のいい友達もいないし、恋人もいないし、部活もしていない。
入学前に抱いていた青春の期待などどっくに捨てて毎日退屈な日々を送っている。
今日もいつも通りの時間に家を出て、遅刻ギリギリで門をくぐる。
だが、今日の学校はいつもと様子が違った。
いつもは陸上部やサッカー部が朝練をしているはずのグラウンドや校庭のベンチに誰もいない。
学校全体が静まり返っている。
腕時計を見てもまだ8時15分前。
朝礼まであと5分。
「あれ、今日は祝日だったか?」
そんなこんなでグラウンドを横切り、下駄箱まで来た。
!?
不思議なことに、他のクラスの下駄箱には上履きが置いてあるにも関わらず、俺のクラスの下駄箱にだけ靴が置いてある。
何か妙だ。
俺は不信感を抱きながらも、教室に行ってみることにした。
教室はグラウンドに面している第一棟の三階にある。
閑散とした校内には階段を登る俺の足音だけが淋しく響いていた。
教室が最上階のため、毎日昇り降りがダルい。
そして三階の廊下に出た。
すると、これまた不思議なことに俺のクラスだけ明かりが点いており、他の教室は暗い。
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