始動

4/18
前へ
/82ページ
次へ
その時だ ピンポンパンポーン!! 突如、校内放送を知らせる音が鳴り響き、教室中が静まり返った。 『二年二組の皆さん、おはようございます』 若い女の声だ。 恐らく美人……だったらいいな。 「おっはよー」 クラスのはっちゃけた男子が律儀に挨拶を返したが、彼女に届くことはないだろう。 そう、それはまるで片想いのようなものだ。 『今日は皆さんにあるゲームをしていただくために集まってもらいました』 教室が騒ついた。 ゲーム? 何かの番組か? 『ではまず、机の中を見て下さぁい』 言われた通り皆は一斉に机をガサゴソと探りはじめた。 俺もとりあえずガサゴソと机を探る。 !? なんだこりゃ? すると、机の中から何やら見覚えのないものが出てきた。 金属製の腕輪に、タッチパネルのようなものがついている。 最新式の腕時計か? とにかく腕に装着するものらしいが…… イベントのために先生が仕込んだのだろう。 『見つけましたか? ではそれを腕にはめて下さい』 指示通り、俺は謎の電子機器を腕にはめた。 すると カチャッ…… 「なっ!」 「うわっ、なんだこれ!」 皆が一斉に騒ぎはじめた。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加