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どうやら腕輪をロックされたらしく、自力では外せそうにない。
『全員の装着を確認しました。
今装着していただいたのはこのゲームで使用する機械です。
皆さんの生死を、脈で判断してこちらに知らせる仕組みになっています。
尚、無理矢理外そうとすると爆発するのでお気を付けて』
!!
クラス中が静まり返った。
冗談にしてはかなり質が悪い。
「はぁ?
ふざけんなよ!」
クラス一の問題児、山本がキレて机を蹴飛ばした。
山本一朗、校内での喫煙や暴力といった悪事を重ねてばかりの男だ。
いつもは昼頃に登校するくせに今日は朝から来ている。
「こんなふざけたことで呼び出してんじゃねぇぞアホ!
俺は帰るぜ!」
山本は床に唾を吐き捨てると教室を出ていった。
なるほど、呼び出しをくらったのか。
しかし奴がぶちギレるのも仕方ない。
朝っぱらから縁起でもない冗談を校内放送でかますとは……
「ねえ島津くん……」
「ん?」
「さっきの何かの冗談だよね?」
隣の女子、田中が不安そうに話し掛けてきた。
まったく馬鹿馬鹿しい、冗談に決まってるじゃないか。
人を殺せば殺人罪になるという素晴らしい法律が日本にはあるのだから。
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