two.

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「のんっ!早くしろよっ!」 「分かってるよっ。」 長く伸ばした髪をなびかせながら、鞄を肩にかけ、黒色のローファーに足を入れる。 「朝っぱらから、教会で何やってたんだよっ。」 ツンツンに跳ねた髪に、まだあどけなかさが残る少年は口を尖らせながら「のん」と呼んだ少女、望(のぞむ)にそう叫んだ。 「んー?別にぃ。」 玄関の扉を締めると、望は少年に駆け寄った。 「大也(だいや)もピカピカの高校一年生かぁー。こーんなに小さかったのにねぇー。」 親指と人差し指で摘むような仕草をする望に、 「そんなに、小さくねぇよっ。今じゃ、お前よりでけぇだろっ。」 ふてくされたように話す大也に、 「あー“お前”だってぇー。生意気ーっ。」 大也の頬をつねりながら望は、教会の上にそびえる十字架を見上げた。
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