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無防備鈍感って…何っ!
「カメラ持ってた。」
「へ?」
隣の車両に移動していく新聞男に、朔が送った視線を追いかけて、望も通路に頭だけひょこり出して覗いてみた。
「盗撮だろ。鞄の口から微かにレンズが見えてた。」
まじっ!?
全然、気付かなかった。
グイッ
「わっ!」
襟をグイッと引っ張られ、元いた位置に強制的に座らせれた。
「何すっ…」
「邪魔。」
「えっ」
望を若干睨むように通路を通過していく、スーツ姿の女性。
「あっ…すみません…」
バツが悪そうに謝っていると、
「天然無防備鈍感か。」
長っ、さらにナニソレっ
朔は目的の駅につくまで、腕を組んで寝ているように目をつぶったままだった。
右の腕に感じる朔の体温に、望は終始赤面していた。
ドキドキ、伝わってないよね?
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