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固まる望の横をすり抜けて、朔はどんどん歩いていく。
ヤクザ…
ヤクザがヤクザを追いかけてたのか…
「…なんで?なんで追いかけられるの?」
再び朔の隣まで小走りに駆け寄ると、眉間に皺を寄せて望は見上げた。
「…色々あんの。」
ため息混じりにそう言う朔に、
「色々って?」
なおも引き下がらない望に、煙草の煙りを吹きかける。
「わっ…ゴホッ」
顔の周りに漂う煙を手で仰ぎながら、咳を数回繰り返した。
「…ちょっと揉めてんだよ。ヤクザ同士が。」
「えっ…ケホッ…それって、抗争ってヤツ?」
「……ってヤツ。」
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