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ニュースで報道されている"ってヤツ"は、拳銃で撃たれたとか、親分が撃たれたとか、間違って撃たれたとか、流れ弾に撃たれたとか…
「…撃たれちゃうの?」
「あ?」
神妙な面持ちの望に、朔は呆れた表情で、
「大丈夫だよ。撃たれねぇつぅの。」
大きいため息を吐き出す。
「ちょっと仲間同士で揉めてんだよ。」
「仲間同士?」
「あそこら辺を仕切ってる一番頭の組の組長がもう死ぬって言う話しで、傘下の組の連中が、ここぞとばかりに暴れてんの。」
意味が…分からん
「いわゆる、大親分さんが死んだら、どの組がこのでっけぇシマを仕切るかっていうこと。」
簡単に言うと…
ポスト大親分さん争奪戦
望が頭の中で、朔の話を組み立てていると、
「…あんたは撃たれたりしないから大丈夫だよ。」
「えっ?」
小馬鹿にしたように、朔は鼻でフンっと笑うと、煙草の火を靴で踏んで消した。
「あんたが撃たれそうになったら…俺が代わりに撃たれてやるから。」
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