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ポロリ…と
目から涙が零れた。
まばたきをするたびに、雫が頬を伝う。
胸を締め付けるような痛みが、
目頭を熱くさせる涙が、
苦しくてたまらなかった…
「……なんで、あんたが泣くんだ…」
望の返事はなく、鼻をすする音が暗い夜道に響く。
うつむいて目を擦る望の前に影ができ、顔をあげると、
哀しげに口の端を上げる朔が立っていた。
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