nine.

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「なぁーにっ?これっ!!」 「あっ!千佳っ」 頬杖をついて、ぼーっとしていた望の手から、 「鍵?」 「あーっダメダメッ!」 慌てて千佳の手から、小さな鍵を取り戻すと、望はスカートのポケットにしまい込んだ。 「どこの鍵ー?」 「これは…」 昨日の別れ際、朔から手渡された、小さな鍵。 ライブハウスのスタッフ出入り口の鍵で、今日はバイトが休みの望が、学校から直接に行けるように預かっていた。 『明日、少し遅くなると思うから。』 『え?』 朔が差し出した右手のグーの中には、少し錆びた小さな鍵。 『先に入ってろ。』 まるで、合い鍵みたいなそれを朝からぼんやり見つめていた。 「で、どこの?鍵?」 「えっ!?えーと…教会!教会の屋根裏っ」 「屋根裏ー?」 全く信じていない声と顔で、千佳は望の目を覗き込む。 「…まさか、この前のイケメンじゃないよね?」
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