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言葉に詰まる望に、
「…望。分かってるよね?アイツ、ヤクザだよ?この前の公園にも現れたし、大也殴られたんだよ?アイツらに。」
分かってるよ
…分かってる
「…違うから。本当に、屋根裏部屋の鍵だから。」
うつむきながらそう言う望に、
「望…嘘下手。」
「え…?」
千佳は腕を組んで、大きくため息をつくと、望の前の席にドカリと腰を下ろした。
「…話せる時が来たら、ちゃんと話すんだよ?」
「千佳…」
少し納得がいかない笑顔で、望を見つめる千佳に小さく頷いた。
嘘をついてるこの状況って…
大切な友達にも、きちんと話せない…
…アイツと会うって事は、そう言うこと
誰にも
話せない。
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