nine.

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朔と会う放課後が、待ち遠しいような、 嘘までついて行くのは間違っているんじゃないのか、 と、葛藤が続く。 授業が終わり、ホームルームで配られた進路希望の紙が更に、望の頭を悩ませた。 「のーぞむ。今日バイトないっしょ?カラオケ行こうよぉ!」 千佳が猫なで声で望の手を取って、愛眼の眼差しで見上げる。 「え…と…今日は…ちょっと…」 一気に不機嫌になる千佳は、 「どこいくの?」 ス、ストレート 「ん?ちょっと…用事が…」 睨んだ千佳の視線が突き刺さる。 「…イケメンと会うの?」 返事が出来ない望は、パチパチと数回まばたきを繰り返した。 その時、バスケットボールを持った健人が2人の横を通った。 相変わらず、千佳と健人はぎこちない感じで、望は頭を傾げていた。 「…健人。」 千佳が呼び止めると、健人は立ち止まって、2人を振り返った。 「望ってば、隠し事してんのよ?」 え… 目を細める健人は、千佳から望に視線を移すと、 「望、何、隠し事って。」 「え…」
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