704人が本棚に入れています
本棚に追加
…聞かなきゃ…良かった…
なんで、あんな事聞いちゃたんだ…
メチャメチャ、バカ…
望は、無造作に置かれた黒いソファに鞄を置くと、そこに体を沈めた。
溜め息をつく。
コンクリート剥き出しの天井を眺めながら、下の階から聞こえる、まことの声が嫌でも耳に入って来る。
“ひとりだけ、客じゃない彼女がいた”
引っかかる言葉が何度も何度も頭に浮かんでくる。
うー…聞いてどうする?
そんな事聞いても意味なくない?
…でも、気になる…
次の瞬間、扉のノブをひねっていた。
最初のコメントを投稿しよう!