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「だってアイツ、高いでしょ?デートだけでかなり取るんじゃない?」
望は考えを巡らせていた。
ホストって…
お店で飲んだり騒いだりするんじゃないのかな…
「出張ホストだから、デートにキスに…Hが大体セットでしょー?何十万だよー?」
ちょっと…待って待ってっ
衝撃的発言がたくさんありすぎて、ついていけない
「なに、あんたパパからお金出してもらってんの?」
興味津々に聞いてくるまことの背後の扉が開き、
「…うぃーす。」
ゾロゾロと楽器を抱えた人達がフロアに現れ、まことの話は一時中断された。
物珍しい目で、制服姿の望をチラチラ見ていく。
「店長ーっ!助っ人連れて来たよーっ」
髪をツンツンに立てた、人懐っこそうな男の子がまことに駆け寄り、
「ファミレスのバイト先で一緒の子なんだけど、手伝ってくれるって…」
望に気付いた彼が、目を丸くして、
「…誰?」
「あー、朔ちゃんのお客さんだよ、涼太くん。」
「はぁ!?女子高校生でしょ?朔先輩、そんなとこまで範囲広げてるんすか?」
興味津々に望の顔を覗き込むと、
「…うわっ!すっげー美人じゃん。」
「ほらっ涼太っ!仕事仕事!」
まことにせかされ、涼太はスタッフ室へと向かって駆け出した。
「あっ店長ー!彼女ね!助っ人っ」
涼太は出入り口を指差しながら、姿が見えなくなった。
望は嵐のような出来事に、目が回りそうだった。
「…あのー…」
出入り口から、可愛らしい声と、小柄な女の子が顔を出した。
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