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「…なんでここに…」
朔は思い付いたようにまことを睨みつけると、
「相原お前…」
「違うわよっ偶然よ偶然っ!」
疑いの眼差しを向ける朔に、まことは慌てて弁解をしている。
「…黒木くん。」
嬉しそうに微笑む繭は、一歩近寄ると、
「…元気にしてた?」
朔は、フイっと視線をそらすと、階段を登り始めた。
「黒木くん?」
カンカンと階段を駆け上がってくる繭に、
「…元気だったよ。相原が心配することじゃない。」
朔はまことの腕を掴むと、再び階段を上がり出す。
扉のドアノブに手をかけると、
「会いたかったっ!黒木くん…。ずっと…会いたかった…。」
朔は一度も振り返らず、部屋へ入ると扉を閉めた。
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