nine.

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「…fortune…」 桜の花びらが街灯に照らされて白く光ってヒラヒラと舞っている。 溜め息をつきながら、両手に額をつけてうつむく。 こんなに切なくなる理由は分かってる… 「誰かぁボクを連れ出して…」 どおしたらいいのか分からない… 何が正解なのか分からない… 「…そっと…この手を握ってぇ… 駆け出して…」 あの唯一“彼女”だったひとが気になる… どうしてホストになったかの気になる… 私のことをどう思ってるのか… 気になる… 「…fortune…」 溜め息混じりに、唄を繰り返す。 ふと… 今なお聞こえてくるストリートミュージシャンの唄に目をやると、 輪になって聞いている人達を通り過ぎて、 こっちに向かってくる。 ゆっくり数段の階段を登り、 朔は、望の目の前に立つ。 「…なんで知ってる…」 .
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