nine.

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驚いた表情を浮かべる朔に、望は少し首を傾げ、 「あ…そういえば、教会で歌ってたよね?…知ってるの?」 朔は何も言わず、眉間に皺を寄せたまま望を見つめている。 その視線に耐えられなくなった望は、一気に喋り立てた。 「い、いいよねっ。あの曲っ。綺麗なメロディーだし…それに…なんか元気でた。」 欄干に両手をついて、桜並木を眺めながら、 「あの曲なんて言うのか、知ってる?」 振り返った望の目の前は真っ暗で、 「え……」 煙草の苦い香りと 柑橘系の香水の香り… ドキドキしてる暇がなくて… この状況についていけてなくて… 心臓… 止まってた… 私…抱きしめられてる…? .
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