two.

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「望ちゃんっ!」 「えっ!!」 野上に呼ばれた声に、ハッとして顔をあげると目の前には手のひらと、顔をヒクヒクとひきつらせている男。 それもかなり強面の。 望が驚いて目を見開いていると、 「望ちゃんっティッシュ!ティッシュ!」 「えっ!あっ…」 ザザザ… 「あっ」 カゴから大量のティッシュが零れ落ち、男の靴の上に散らばった。 「わっ…す、すみませんっ」 バタバタと野上は望に駆け寄り、ティッシュを一緒に拾い始めた。 「…あんた。」 頭上から振って来た声の主は、冷や汗をかきながらティッシュを拾う望の前にしゃがみ込むと、 「可愛い顔してんね。」 クイっと顎を指で持ち上げられ、望は無理やり上を向かせられる。 固まる望に、 「フッ…高く売れそう。」 「若っ!」 バタバタと近付いて来た黒い集団に取り囲まれると、 「てめぇっ何やってんだよっ!」 罵声を上げてくる強面の男に驚き、野上は望の後ろに隠れた。 “若”と呼ばれた男は片手を上げると、黒い集団は一気に静かになった。 スッと伸ばしてくる腕に、望は体を強ばらせる。 「一個、もらってくよ。」 ティッシュを拾い上げた右手の甲に、チラッと見えたのは、花びらのような模様。
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