two.

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「…もぅ!焦ったよぉ。あれ、ヤクザでしょう?」 去っていった彼らが完全に見えなくなってから、野上は話し出す。 「すみません…。」 「ここら辺、多いしねぇ、ヤクザ屋さん。」 野上は通りすがっていく人達に、巧みにティッシュを配りながらしみじみ言う。 夜になると、この先はいわゆる夜の繁華街。 キャバクラにクラブ、ホストクラブに、口じゃ言えないお店… 絡まれる事もしばしばだったが、とにかく時給がいいこのバイトは辞める訳にいかなかった。 質より量と言うことで… 望は一年ほど、この繁華街の入り口でティッシュを配り続けている。
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