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望は、足を止めた。
見失った後ろ姿は、キラキラと光る人達にはばかれてもう見つけることは出来なかった。
ホストらしいバッチリスーツにバッチリ髪の人達や酔っ払った人達が望をジロジロと見ていく。
望は右手に握りしめていたカイロに視線を落とした。
再び、繁華街の奥へと目線を送る。
小さな手のひらの中で、ヌクヌクさん、カイロに書かれた猫の模様は優しく微笑んでいる。
まさかね…
こんな優しい事…
望はそう納得すると、踵を返して来た道を戻って行った。
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