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~場所は変わり、橘の行き付けであるという“パワ堂”に来た。
「う~ん…おいしい!やっぱりパワ堂のプリンは最高ね!」
「はぁ…いつまで食べる気だよ……で?相談って?」
俺はそう言って頼んだコーヒーを口にした。
「うん!その事なんだけど……
私の婚約者(フィアンセ)になってくれない?」
「ブフゥッッ!……ケホッ…ゲホッ…はぁ!?どういうことだよ!」
俺はコーヒーを吹き出した。 それも当然だ、会って間もない人に“婚約者になってくれ”と言われたら誰でも驚くだろう。
「いきなり吹き出さないでよ! まったく、その事なんだけどね? 私のお爺ちゃんは厳しくてね……野球をするのを認めてくれないのよ……だから『野球部の彼氏を支える』って言えば認めてくれると思ってね…
だからお願い! 婚約者のフリだけでいいから!」
(橘も大変なんだな…まぁフリだけなら大丈夫だろう。)
「はぁ…わかったよ。でも理事長には橘からちゃんと説明してね?」
俺がそう言うと、橘は笑顔になり
「ありがとう…………」 と言った。
しかし俺は一つ心配になった。
「でもフリとはいえ俺が婚約者でいいの?」
「だ、大丈夫だよ……………ボソッむしろ大歓迎だよ////」
「ん、何か言った?」
「別に何も言ってないわよ!」
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