始まり~そして出会い

5/7
前へ
/16ページ
次へ
~場所は変わり、橘の行き付けであるという“パワ堂”に来た。 「う~ん…おいしい!やっぱりパワ堂のプリンは最高ね!」 「はぁ…いつまで食べる気だよ……で?相談って?」 俺はそう言って頼んだコーヒーを口にした。 「うん!その事なんだけど…… 私の婚約者(フィアンセ)になってくれない?」 「ブフゥッッ!……ケホッ…ゲホッ…はぁ!?どういうことだよ!」 俺はコーヒーを吹き出した。 それも当然だ、会って間もない人に“婚約者になってくれ”と言われたら誰でも驚くだろう。  「いきなり吹き出さないでよ! まったく、その事なんだけどね? 私のお爺ちゃんは厳しくてね……野球をするのを認めてくれないのよ……だから『野球部の彼氏を支える』って言えば認めてくれると思ってね…  だからお願い! 婚約者のフリだけでいいから!」 (橘も大変なんだな…まぁフリだけなら大丈夫だろう。) 「はぁ…わかったよ。でも理事長には橘からちゃんと説明してね?」 俺がそう言うと、橘は笑顔になり 「ありがとう…………」 と言った。  しかし俺は一つ心配になった。 「でもフリとはいえ俺が婚約者でいいの?」 「だ、大丈夫だよ……………ボソッむしろ大歓迎だよ////」 「ん、何か言った?」 「別に何も言ってないわよ!」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加