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「ここは、どこ?」
一人の少女はただ、真っ暗な世界で叫んでいた。
それはもう恐怖に歪んだその声は、喉を潰していた。
「イヤだ、もう・・・もう、独りはやだよぉ・・・」
少女はもう限界だった。こんなに悪い夢なら、消えてしまえばいいのに・・・
「さぁ、おいで。貴方は一人じゃないのですよ。こっちには仲間が居ます。さぁ、悪い夢から覚めて―――――」
少女とは違う、とても優しくて、でも、何か寂しい声で、少女に手をさしのべている。
「だ、誰なの?そこにいるの?ねぇ、私を独りにしないでよぉ・・・」
すると、少女に差し伸べた手は、少女を包み込むように抱えられていた。
すると変化は起きた。少女の背には白く大きな翼が生まれ、とても神々しい姿になった。
「さぁたちあがれ、あなたはその翼でこの歪んだ空間から、出るのです。あなたは独りじゃない。独りでは、無いのです・・・」
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