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「………………………………………ってことだから、分かったか~ここテストに出すぞ~」
世界史の担当の先生の声が、教室に響く。誰かが俺の背中を突っついている。そんなことで目が覚めた俺は、とてつもなく気分が悪かったなので、そんな声を流して聞いていた。
「おい彼方、聞いてんのか?お前、中間ヤバかったんだろ!期末までヤバかったら進級できないんじゃねーのか?」
隣から声をかけられた。
「ああん?ああ、怠衡か…てかお前、人の事言えんのか?中間順位、俺より下だったじゃねーかよ。帰宅部のくせに部活に入ってる俺より下なんて有り得ねーな。家でなにやってんだよ」
「ははは、家に帰ってないよ~おれは学校帰りに直バイトだぜ!5時から12時までのシフトだぜい」
「………」
俺は言葉失った
「あれ?なんかをおかしかった?あれ?」
怠衡はおろおろしてた
「長過ぎだろ、労働時間何時間だ………『バン』いたっ」
後頭部をおもいっきり殴られた
「ほーう。私の授業を聞かないなんて、随分余裕だなぁ。赤点とったらお前らの補習、どうなるか分かってるよなぁ」
「「………」」
二人とも黙り込んだ
「ふっ。それでいいんだ。始めっからちゃんと聞いてれば」
そう言うと、誇った顔をしながら教段に戻っていった
「あいつ、おもいっきり頭殴りやがって、あとでコロス。これ以上頭が悪くなったら、どうしてくれんだ」
怠衡はぶつぶつ呟いていた。
「まあ、やっとうるさい奴から解放されたから俺はせいせいしてるぜ」
「あっそれ酷くね?お前が上の空だったから、話し掛けてやったのに」
「おいおい、俺は頼んで無いぜ。俺は睡眠中だったのに邪魔しやがって。俺は気分わりぃんだよ」
『バァァァァン』
また叩かれました。
『キーンコーンカーンコーン』
「うっしゃあ!!学校終わったあああああああ。彼方遊びにいこーぜ!」
「あっ、うん、無理」
怠衡の呼び掛けを適当にあしらって体育館へ向かった。
後ろから『彼方ひでえ、彼方、鬼、彼方最低』などという罵声が聞こえたが無視した
『ドンッ』
体育館に向かう途中の渡り廊下で誰かとぶつかってしまった。
「わっ、わりぃ。大丈夫か?」
「イタタタタ。え?あっうん、私は大丈夫だよ!ちょっとお尻打っちゃっただけだから、エヘヘ。貴方こそ大丈夫?」
ぶつかった相手を見ると、茶髪のセミロングがとても似合った可愛らしい女の子だった。
「あっ、ああ。俺はなんともない」
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